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2012/03/30

加瀬英明先生 の講演 

昨年の3月震災前に聞いた話のメモが今頃出てきました。

見なおしてみると大事なお話でしたので、今さらながら載せてみます。

23-3 加瀬英明先生 の講演  豊国平成塾


加瀬先生の話は、とても多岐に渡り、興味深いものでした。

 特に、「コトバを大切にしよう」ということで、明治の近代化の際に、西洋の概念を取り入れる為に作った新しい言葉に振り回されないように、という話は、初めて聞く話で興味深かったです。

 借りてきた言葉に振り回されるな、日本人が本来持っていた”徳の力”を取り戻すことが大事なのだと。


 以下、書きとめたことをツラツラ。

 何分にも私の脳を経由したものなので、間違いあったらすみません。


******************

・5000円札のモデルになっている樋口一葉(奈津)は、学校教育を4年しか受けなかったが、父親に漢詩の勉強を受け、文学の素養を身につけた。

 若くして父親に他界され、一家の大黒柱として働き、25歳で薄幸の生涯を閉じるが、その奈津が亡くなる1年前、24歳の時に書いた日記に次のような記述がある。

 『安(やす)きになれておごりくる人(ひと)心(ごころ)の、あはれ外(と)つ国(くに)(註・西洋)の花やかなるをしたい、我が国(くに)振(ぶり)のふるきを厭(いと)ひて、うかれうかるゝ仇(あだ)ごころは、流れゆく水の塵(ちり)芥(あくた)をのせて走るが如(ごと)く、とどまる處(ところ)をしらず。流れゆく我が国の末いかなるべきぞ。』

 その頃既に、奈津は西洋に浮かれつ人々を憂う日記を書いている


・私の母の兄の子、つまりいとこにオノ・ヨーコがいた縁で、私は生前ジョンとも親しくしていた。

 ジョンの「イマジン」は、天国と地獄を否定する歌で、キリスト教の否定にあたると教会は怒ったが、若い人は支持をした。

 私はジョンとヨーコを案内して靖国神社や伊勢神宮を案内した。ジョンは神道に憧れていた。

 日本には宗派はあっても、”宗教”という言葉はなかった。明治の時代に、religionを訳す為に作った言葉だ。

 西洋の概念のreligion とは、自分の教えは正しい、他は間違っているというもので、原語はギリシア語のreligioから来ており、その意味は”人を束縛する”ものである。

 
 日本の宗派は、お互いが共存する。

 ”自然”という言葉もなかった。これも、明治の時に仏教の”自然(じねん)”という言葉を持ってきた言葉だが、西洋の自然とは、人間が自然を活用する、人間が自然の上に立つという概念がある。

 
 神道では、今の世界が天国であり、天国や地獄の概念がない。

 人間は自然の一部である。

 「おかげさまで」は、ジョンが一番気に入っていた言葉だか、外国にはそのような言い回しに相当する言葉がない。

 
 私は時々、海外で日本文化を紹介する機会があるが、「神々が鎮まっている」ということを話すとき、その概念・言葉がないため、説明するのに非常にたくさんの言葉を使わねばならない。

 西洋の神は、人々の細かいところまで干渉する。

 日本では、天皇も鎮まっている。

 天皇陛下にご心配をかけず生きるのが日本人の勤めである。

 
 キリスト教、ユダヤ教、神が6日かかって天地創造をし、7日目に休んだという。
 アダムの肋骨1本を折ってイブを作ったと。

 神は、自らの姿になぞらえて人間を作ったとされるが、私はその逆で人間の姿になぞらえて神という存在を創ったと思う。

 
 神に供える供物をにも文化が現れている。

 キリスト教、ユダヤ教では、羊の丸焼きを捧げる。

 日本では、極一部に鶏の肉を捧げる神社があるらしいが、通常、五穀・野菜・魚、そしてお神酒。

 お神酒という表現は日本だけである。

 日本の神道は、日本人の生き方をつくったもの。


・日本は”和”を大切にする国である。

 拍手(かしわで)は、世界で他にない。

 拍手とは、鎮まっている神様にこちらに注意を引かせる所作。

 西洋の神様は、いつも人間を見張っているから、拍手をする必要がない。

 日本では、宴会の終わりにも、一本締めなどと拍手をする。
 その際には、一同の気持ちが一つになる。
 

・私は子供の頃、父親に漢詩や漢文を勉強させられた。

 漢詩は長い。西洋の詩も長い。
 そして、個人のいやらしい心情や主張が強い。

 日本の詩歌は、俺が俺がという主張がない。寡黙であり、和の上に成り立っている。


・一神教は、ユダヤ人がエジプトに奴隷でいた数百年のうちに出来たものと考えられる。
 
 元来エジプトは多神教だったが、アメンホテプ4世が太陽神だけが本当の神であるとした宗教改革を行い、そこに影響を受けたと考えられる。

 キリスト教では、クリスマスを祝うが、聖地エルサレムでは、雪は降らない。もみの木もない。
 多神教の影響を受けている。

 キリスト教のミサでは、キリストの血としてぶどう酒を、肉としてパンを用いるが、これは、ヨーロッパ大陸のゲルマン人の食人文化と融合して生まれたものと思われる。

 「宗教は文化が生んだもの」

 神道は21世紀に最もふさわしい宗教である。

 一神教は、あと200年も力を持たないだろうと考える。

 尚、キリストが存在したかしなかったかは議論が分かれるところであるが、私は存在しなかったと考える立場である。

 
・19世紀に黒船が来航した。

 そして西洋は、日本の浮世絵に衝撃を受け、ジャポニズムという言葉が生まれた。

 タウトは伊勢神宮を参拝し、初めて外容と内容が一致した建物を見たと褒め称えた。

 建築、食べ物(料理・器)、漫画、コスプレと日本人の感性が生んだ文化が世界に影響を与えてきた。


 中国は、古くは羅針盤・火薬・紙を発明し世界に影響を与えたが、近代に入ってからは何もない。

 また、武道は、西洋ではマーシャル・アーツであるが、例外であるフィッシングを除いて、それは技術である。

 日本では、武道全てにおいて、精神性が重要視され、精神修養が大切だとされる。


 また、着物も、ただ着るだけでは様にならない。
 着付けと所作が整わないと、どうにもならないものである。

 日本ほど、精神性が高い文化を形成していた国はない。


・江戸時代、75万人の江戸の都市を警備していたのは、同心12人、その配下に平均5人の岡引がいて70人でやっていた。

 テレビ見ているとしょっちゅう犯罪が起こっていたように思うが、実際は治安がよく、それで足りたのである。


・1012年前、紫式部は藤原宣孝と結婚するが、夫が早くに亡くなったので、子供を育てる為に出仕し、書いたのが源氏物語。

 日本では、昔から女性に教養があった。

 夫が妻からこづかいをもらうのは日本だけである。


・日本が明治維新を乗り越え、先の戦争の敗戦からの立ち直ったのは、”徳の力”によるものだと考える。

 今の日本は、その徳の力がなくなってきている。

 それを取り戻すことが急務と思う。


 明治の人々の願いは、「不平等条約の改正」「人種平等の世界を作る」ことであった。

 当時、西洋人には日本の裁判権は及ばなかった。関税も西洋人のいうがままだった。

 当時の人々は、西洋と肩を並べる為に、鹿鳴館を作り、西洋の文化を真似て、日本は西洋に劣らない国である事を認めさせる為に努力した。


 外国の要人を招いての晩餐会の料理とは、普通自国の料理がもてなされる。

 中国では、中国料理だし、インドではインド料理であるが、日本ではフランス料理が供される。

 日本も先進国になったのだし、日本料理を出せばいいのではという声もあるが、私はずっとフランス料理でいいと思う。明治の人々の屈辱を忘れない為に。

 
 喪服も、昔は白だったが、明治に通達が出て、西洋に習い、黒とした。
 
 女性の立小便禁止も、明治の通達である。

 直立不動も、今のスタイルは明治になってから西洋に習った。元は肩幅に足を開き、少し猫背のスタイルだった。

 小学校の唱歌も、西洋の音感リズムを幼い頃から身につけさせるために明治の時代に始まったものである。

 
 明治維新では、政治、経済、文化の独立を守ることを重要命題にしていた。

 しかし、いつしかその手段が目的となり、日本の魂を忘れてしまったのではないか?と考える。 


 私は、民族の自立には、独立自尊が最も大切と考える。

 しかし、今のメディアは、日本を貶めることはしても、褒める(誇る)ことはない。


 わずか60年前、白人が有色人種を差別してきた世界を変えたのは日本の成果である。

 それまで、アメリカでは、黒人は選挙権は勿論、白人と水を飲む場もトイレも別、テニスや水泳をすることすら許されなかった。黒人と白人のセックスも犯罪とされ、結婚も許されなかった。

 国際連盟で人種の平等を主張したのは日本である。

 八紘一宇こそ、人類の理想の形であると思う。


 日本には、4度国難があった。

 元寇、ペルー来航、大戦と敗戦、そして今である。

 私は今の4度目の国難が、もっとも大事だと思う。それは、”日本が日本でなくなる危機”だからである。

 これは、戦後教育が徳育を無視してきた報いだと思う。

 今こそ教育を変える必要がある。 

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