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2008/05/29

斉藤 和彦さんモルドバへ

今年3月にテレビ朝日で放映された「モルドバで炭焼きを教えてきた

 

斉藤 和彦さん」からモルドバへ行ってきての体験談を聞きました。

 

5月18日に愛知県民の森で行われた あいち炭やきの会の総会での

 

ことです。

 

斉藤 和彦さんは愛知県の僻地 段戸山で炭焼きを教えている人です。

 

愛知炭焼きの会の副会長で三河炭焼き塾の塾長でもあります。

 

斉藤 和彦さんは4人の子宝に恵まれていますが4人目の坊ちゃんがちょっと

 

障害があるために50才までやっていたサラリーマンをすっぱりやめて

 

山に入って炭焼きになり息子さんと一緒に生活されています。

 

今の生活に大変満足しているとおっしゃっていました。

 

以下は斉藤 和彦さんのお話です。

 

愛知炭焼きの会の斉藤です。今年初めにテレビ朝日から電話がかかってきました。

 

「昨年立ち上げた海外取材特別企画番組で今年は2箇所の取材をしたいと思っている。

 

つきましては斉藤さんは炭焼きや森作りなんかをやっていらっしゃるようなので

 

わが社でエントリーをさせていただきました。いえ斉藤さんに決まったわけ

 

ではありません。

 

若い人も含めて10名ほどエントリーしています。」

 

それから5回ほど電話でのやりとりがありました。

 

杉浦 銀治先生からも「おい 推薦しといたからな」というような電話もいただきました。

 

 

やがてテレビ朝日のほうから斉藤さんにお願いしようと思いますと電話がありました。

 

「旅券はありますか? 健康はどうですか? 2週間ほど外国へ行っていただけま

 

すか?行く先は モルドバ です。」

 

これだけしか教えてくれないのです。どういうことをするのですか?と聞いたら

 

「それは向こうへ行ってからお話をします。申し訳ありませんが今テレビ業界では

 

やらせということが大変問題になっていますのでお話しをするわけにはいかないの

 

です。成田へ何月何日何時にお出でください。」ということだったのです。

 

モルドバなんて聞いたこともないので友達なんかにお願いしてインターネットで

 

調べてもらいました。あんまりたくさんの知識はないのです。

 

 モルドバは人口は400万人くらいでルーマニアの北のほうで緯度は北海道

 

より北で国土の40%くらいはぶどう畑である。地下資源は殆どなくロシアから

 

の輸入に頼っているが年々値上がりでみんな寒い寒いと言っている。

 

モルドバでは燃料がどんどん高くなり年収の半分は薪代で消えてしまうらしい。

 

というようなことがわかりました。

 

飛行機の中でもテレビ局は何も話してくれません。

 

16時間もかかってトルコ経由で夜の8時ころ着いたのです。

 

飛行機がモルドバの空港の近くに行ってもね明かりが何も見えないのです。

 

街路灯が少しあるだけで車も走ってない。飛行場からホテルへ行くタクシーは

 

いくらスピードを出しても40キロしか出ないのです。

 

道路はベコベコで路面は割れている。大変なところだなということは

 

わかりました。翌朝ホテルから4時間離れた村へ行きました。

 

テレビ局からの話はとにかく現地でお金をかけないで何か役に立つことを

 

やってほしい。まあ斉藤さんのことだから炭焼きか森つくりくらいやられたら

 

どうでしょうか?ということでした。まあ驚きましたね。

 

インフラ整備は何もされていません。

 

温度はマイナス10度くらいでしたから夜は非常に寒いので道路はすべて凍って

 

しまうのです。朝になると急激に温度が上がって道路は溶けてきてドロドロ

 

になるのです。靴の下に粘土質の泥が3センチくらいくっつくので転びそうに

 

なるのです。現地の子供たちは小さな棒を持っていてこれで靴のそこの土を

 

取りながら歩くのです。

 

テレビに出てきた10歳のリナちゃんの家に行きました。

 

おじいさんとおばあさんと一緒にいます。おじいさんは私より5歳上の70歳

 

ですが私の父親のような顔をしています。おばあさんは私より二歳だけ年上です

 

が随分年寄りのような顔をしています。そこにはおじいさんおばあさんと孫の

 

リナちゃんと妹ともう一人従妹のお孫さんと5人で住んでいます。

 

聞いては悪いのですが聞きました。リナちゃんは10歳になるけれど

 

お父さんの顔を見たことがありません。その下の妹さんは2年生ですが

 

リナちゃんとはお父さん違いでそのお父さんの顔を見たことがありません。

 

三番目の子供は幼稚園でお母さんの妹さんの子供ですがやはりお父さんの顔を

 

見たことがない。(お母さんはどこかへ出稼ぎに行っているのかな)

 

そこいらを歩いていたらそういう家があちこちとあります。

 

どこも殆ど収入がないので夜になると一部屋だけ電灯をつけてそこへ

 

全部集まって暮らしているのです。水道も来ているのですがもったいないので

 

和井戸を掘ってそれを滑車で汲んでやっている。各家庭は1ヘクタールくらいの

 

屋敷を板切れや棒切れや鉄板などで囲っているのですよ。

 

その中にどこの家も馬が一頭牛が一頭これはメスです。

 

乳を搾るのです。ヤギが一頭と鶏が2,3羽。これは卵を産ませるが食べないので

 

す。卵は売るのです。動物の糞尿と一緒にいるのです。

 

肥料は何もないのです。畑の一隅に穴を掘ってそれをトイレにしているのですが、

 

夜は真っ暗だから落ちてしまうのです。

 

2メートル下くらいでぽっちゃんと音がします。

 

みんなこんな状態の家です。そういう中で寒さをこらえるために家の脇に小さな

 

納屋があるのです。

 

その納屋の壁を土と少しセメントを混ぜたもので塗り固めてあるのです。

 

そこに家中がより集まって過しているのです。

 

朝と晩2時間づつくらい暖房を焚きますがすぐに消してしまいます。

 

どこの家もパン食ですが1ヵ月に二回パンを焼きます。薪がもったいないので。

 

それを少しづつ切っては使い切っては使い。

 

少しもおいしくない。チーズなんかもあるが保存食だから塩がいっぱいで

 

しょっぱくてしょっぱくてねー。

 

そのほかピクルスという有名な料理がヨーロッパにありますね。

 

あれがみんな保存食として作っている。

 

小さなビンを穴の中に入れてそこにチーズやトマトやスイカやちいちゃな

 

うりなんかを全部入れている。

 

 

あくる日村役場へ行きました。人口1600人の村ですが42歳の村長さんは

 

なかなかの人物ですぐに理解をしてくれた。きっと国会議員になるだろうと思う。

 

学校の校長に言っておいたからそこへ行きなさいということで。

 

近くにある2階建ての小さな学校でした。275名の生徒がいますが

 

小学校6年中学3年高校2年までの生徒が一緒にいます。

 

集会場や講堂もなかったね。

 

じっと見ていたら教科書がない。子供たちは1冊のノートを持っていてそこへ

 

ちょこちょこっと書いている。先生は黒板に書いているだけです。

 

この国は地下資源は何もないから頭で生きようと考えているようだ。

 

一生懸命外国語を勉強していました。先生は口移しで教えているのですが子供たち

 

は一生懸命勉強していました。

 

校長先生はどこの教室を使ってもいいから炭焼きを教えてくださいと

 

言われました。

 

みんな炭というものを知らなかったです。どういう窯を作ろうか

 

 

 

事前に考えては来たが何も材料がなくて考えたようなものは不可能と

 

いうことがわかった。

 

りんごの木がところどころに植わってました。

 

森は全て国有なので木を切ったりしたら大変なことになる。

 

木の枝が落ちるとみなんが奪い合いで持っていってしまう。

 

子供たちは木片なんかは持っていってしまう。

 

ナイロンなんかは使えないからほってある。

 

紙なんかもみんな拾っていってしまうので街には何も落ちてない。

 

学校の用務員が倉庫の中に古いものがあるので使えるかねと言ってきた。

 

これだこれだということでこれを使わせてもらった。

 

何かカンカンがないかと探したら塗料が入っていたカンがほってあった。

 

このカンを焼いて中をきれいにした。

 

中に桟をどうしても作らねばならないので何か鉄のものがないかと探したら

 

ストーブの配管が鉄でしてあったのでこれを少しとって使った。

 

今度は燃やす焚き物がいる。一番協力してくれたのはリナちゃんのクラスです。

 

みんなに一人1本でいいから家から木を持ってきてほしいと頼んだ。

 

向こうの人たちは東洋人を始めて見たので続々と集まってきた。

 

テレビ局はこんなに人がいては困るからと整理に大変だった。

 

学校の先生が今日は自由時間にするからと言ったので全校生徒が集まってきた。

 

非常にプレッシャーがかかった。

 

みなさん初窯っていうやつは失敗するんですよ。

 

カメラが2台いてずーっとまわしっぱなし。僕がちょっと愚痴を言うとね

 

テレビ局が「失敗してもいいですよ。それがテレビですから。」

 

先生も子供も絶対に炭になって残るわけがない。灰になるはずだ。

 

うそだ うそだ の大合唱。

 

ちょっとかっこよくせにゃいかんと思ってね町へ出る車があったので

 

バナナとザクロとオレンジを買ってきてもらってそれを窯の中に入れた。

 

これが炭になるよと言って。

 

いつも段戸の山の中でドラム缶でやるときは20時間くらいかけてやるといい

 

炭になる。

 

10時間を切ると柔らかくなったりうまくいかない。

 

30時間くらいかけてやってからバナナを出したら形が残っていた。

 

みんながマジックだ マジックだ  夜なんかしただろうと言われた。

 

 

これだけではいけないので何かしないといけない。

 

とあちこち歩いたら国土の40%くらいはブドウ畑になっている。

 

ソ連がやってきて穀物を生産せよということであんまり標高の高い山はないので

 

全部農地にしてまった。そして最終的に残ったのはブドウ畑でした。

 

 

丁度冬場剪定しているので剪定枝がどえらいことあったからこいつを炭に焼いた。

 

やっぱり杉浦 銀治先生に教えてもらったように粉にしてたどんにしたら

 

いいじゃないかと思ってぶどうを焼いてみた。

 

炭を作ったら子供たちが喜んでね粉にしてくれた。

 

給食でつかっとったものを思い出してね馬鈴薯の皮をふいてみんなして

 

でんぷん取らせて上澄みを取るとでんぷんが溜まってくる。

 

こいつに窯の灰を沸騰させてアルカリ水を作って合わせてそして炭の粉を合わせて

 

乾燥させてたどんを作った。

 

問題はその次に森作りだが。帰って森の審議官に森作りのことを話したが

 

まったく理解してくれない。そんなの関係ない。

 

森は100年すれば自然に育つからいいのだ。私は京都議定書は?地球温暖化は?

 

と説明したのですが「そんなこと聞いたことない。知らん 知らん」

 

と相手にしてくれない。ところが村長さんはよく理解してくれて森づくりをしよう

 

と言ってくれた。村長室へ最初に入ったとき入り口にJFケネディの額が

 

かけてあった。就任演説の言葉が書いてあった。あの村長は偉い人だな。

 

きっと国会議員になる人だよ。降雨量が日本の3分の一くらいしかないので

 

育たない。それで植林のところへ炭をまいたら育つのではないかと思うのです。

 

今度は私費でもいいからもう一度モルドバへ行って森作りをしたいと思います。

 

今回炭作りを教えてきたけどこのままではいけない。

 

向こうの先生たちが炭を作るようになったが一酸化炭素中毒になりゃせんかと

 

心配だ。もう一度行ってしっかり教えてきたい。

 

また森つくりもしっかりと教えたいと思います。

 

私は訴えたい。日本の団塊の世代や若いニートたちよ、モルドバへ行って

 

助けてあげてほしい。日本は平和ボケですよ。せめてああいうところを

 

見てあの人たちのため、世界のために使命があると感じた。

 

 私は行くまではそうは思ってなかったけど、行ってから気持ちが変った。

 

先祖も大事、家族も大事だけど世界にはもっともっと困っている人たちがいるの

 

だ。私達に出来ることをやらねばいけない。

 

 

  ―――――――――――――――――――――

 

関連のブログ

 

 

http://news2013.blog22.fc2.com/blog-category-59.html

 

 

http://ameblo.jp/sakurako336/entry-10083657481.html

 

 

斉藤 和彦さんの活動など

 

http://mikawawan.at.infoseek.co.jp/saitou-mikawawan.htm

 

 

http://www.somanomori.or.jp/koakinai-honpo/sumiyakijuku.htm

 

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コメント

こんにちは。
数年前録画した THE☆仕事人バンク を今になって見直し、斉藤さんのファンになった者です。
異国でどのように炭作りを伝えたのか、トラブルはなかったのか、など気になっていたところ、
このブログにめぐり合い、斉藤さんのお話を拝読させていただきました。

正直に申しまして、「木炭の存在も知らない人にいきなり炭作りの技術を伝達できるとは思えない」
「すべてとは言わないが、ある程度は演出が入ってるんじゃないか」と思っていたのですが、
成功するか否かを含め、やらせ無しの番組であることを知ることができました。
本当にありがとうございました。

投稿: 佐田 | 2014/02/15 15:27

八田さん
段戸でお仕事をされているのですね。
素晴らしいことです。

私のブログでよければどうぞいくらでもお使いくださいませ。
斎藤さんには一度お目にかかって一緒にお酒を飲んだだけですが
素敵な方でした。

ありがとうございます。

投稿: えーさん | 2013/11/10 17:02

えーさん、こんにちは。八田と申します。あいち炭やきの会会員です。
今も斎藤和彦師の段戸に月1回位のペースで仲間と通っています。
2013年11月9日も休憩小屋の水源整備とお借りしている畑でタマネギの苗の植え付けをしました。
紅葉が綺麗でした。その写真をFaceBookに載せたことがきっかけで、斎藤和彦師を紹介することになり
このえーさんのブログに辿り着きました。これも斎藤和彦師のお導きと感じました。
このページのエピソードご紹介ありがとうございます。なかなか師の大きな想いを負いきれないものが
ありますが、少しずつでもその想い実現に引き続き取り組みたいと思っています。
よろしければ、この斎藤さんのエピソードを転載させていただいてもよろしいでしょうか?
以上、今後共よろしくお願いします。

投稿: 八田健一郎 | 2013/11/10 12:18

かわさん

コメントありがとうございます。
本当に炭焼きはもっともっと世界に広めたいですね。
安くて経済的で環境にいい仕事だと思います。

投稿: えーさん | 2008/06/05 00:03

日本の古くから炭を燃料とする文化が、再び海外で活躍することはすばらしいですね。
しかし、寒い地域で狭く密閉した部屋での中毒には気をつけたいです。
斎藤さんご苦労様です。

投稿: かわ | 2008/06/04 12:53

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