名古屋市鍋屋上野浄水場 見学記
先日ある会合の行事として 名古屋市鍋屋上野浄水場 を見学してきました。
まずその大きさと施設(建物)の立派さに驚きました。
いつこんな立派な建物が出来たのかと
・名古屋市の上水道は浄水場 3箇所
配水事務所 4箇所
営業所 16箇所 からなりたっています。
・大正3年3月に完成、同年9月から給水を開始しました。
現在93年目であと7年で100周年を迎えます。
いま100周年記念行事を計画中です。
上田敏郎氏 が設計監督して出来上がったものです。
なんと今でもこの技術は大筋で変わっておりませんし施設は稼動中です。たいしたものと言うべきか進歩がないと言うべきか
大正3年に出来たポンプ場内部も見せていただきました。当時これだけの施設があったとは驚きです。
・浄水方法
緩速ろ過方式
上田敏郎氏が作ったものはこの方式です。鍋屋上野浄水場では35%がこの方式です。
この方式は、一般に原水水質が良好で濁度も低く安定している場合に採用されます。比較 的細かな砂層を4~5m/dのゆっくりした速さで水を通し砂層表面と砂層に増殖した微生物群 によって、水中の浮遊物質や溶解物質を捕そくし、酸化分解させるものです。
原水中の縣濁物質、細菌、アンモニア性窒素、臭気、鉄、マンガン、陰イオン界面活性剤 、フェノール類等を浄化する能力を持っています。
この方式は、維持管理に高度の技術を必要としませんが、広い面積と砂面の削り取り作業 のための労力が必要です。
また、面積に制約があったり、緩速ろ過方式では対応できない原水水質の場合は、急速ろ過方式が採用されます。
・急速ろ過方式
鍋屋上野浄水場では65%がこの方式です。
凝集[ぎょうしゅう]用薬品の力で水中の濁質を凝集させ、フロック(水の 濁りの固まり)として沈でん池内で沈でんさせ、 沈でんしなかった細かいフロックを砂ろ過で除去する方法であります。緩速ろ過方式に比べて、高濁度の原水でも十分処理でき、さらに用地面積が小さく済むという大きな利点が あります。ただ、緩速ろ過方式に比べて、ろ過水質は若干劣るといわれています。
一般家庭へはこの二つの方式でろ過された水を混合して配水されています。
・ろ過池の砂利
3年前から 南木曽温泉 の砂利を使っている。
表面が丸くていいから。
一度使ったものは産廃にだして廃却している。そのほうが安いから
しかし環境面からそれではいけないので来年からは再度洗って使用するようにする予定です。
・事故
昭和42年からいままでの数十件の事故内容についてお聞きしました。
その原因は殆どがうっかりミスで人為的なことです。
ただその解決法が活性炭を入れるのが殆どでこれしかないのか心配です。
また新しい化学物質や微量なものは検出されず人間の味覚、臭覚に頼っているようでこれまた心もないことだと感じました。
・大正3年に完成したポンプ場が現在も保管されておりそこも内部まで見せていただきました。
・名古屋の水道はうまい
全国から見学に来られた方の殆どは名古屋の水道はうまいとおっしゃるそうです。
名古屋の水道は木曽川から取水しています。
木曽川の水源は 岩屋ダム と 味噌川ダム です。
味噌川とは未曾川がもとの字で木曽になる前という意味だそうです。
・名古屋市の水道使用量
今までの最高は昭和50年7月30日 1日 123万トン
現在の平均は 80万トンから100万トン
当分新記録はないだろう
1人あたり110リットル/1日 で計画した
東京都の例をみならって
・今後の課題
砒素 発がん性あるがミネラルウォーター のほうが5倍もある
眞柄 泰基北海道大学教授の話
クリプト 藻の一種 急速ろ過方式でたくさん発生する
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コメント
マイケルさん
そうですか
水道水を沸かして飲むのは正解だと思います。
私は浄水器と電気を入れる(おかしな表現ですね)
電子水というのですがこれを6年前から飲んでいます。
会社の友人に勧められてからです
松下のものではありませんが
その会社は倒産してしまいました
あまりにも高いのと営業がまずかったのでしょうね
でもいまでも理論は生きています
投稿: えーさん | 2007/03/05 23:04
☆トリハロメタンはどうなんでしょうか?私は以前から浄水器なるものは使った事がないし、ミネラルも買った事がありません。ただ水道水を沸騰させているだけです。
投稿: ☆マイケル☆ | 2007/03/05 13:56
さくや姫さん
いらっしゃいませ
あちらにも書きましたがこちらへレスいただけるとはうれしいです
名古屋の水道はおいしいと言われています
確かに最近は東京も大阪もおいしくなったと言っていますね
水を市民に供給するのにいろいろな人のかかわりや工夫がされています
感謝するとともに危険もありますよと言うこともお知らせしたいと思います。
投稿: えーさん | 2007/02/27 23:17
えーさん、浄水場の見学記を拝見して いろいろ考えされられました。
名古屋の水が木曽川から、という事は中央アルプスに端を発しているのでしょうか。
それを聞くだけでも美味しそうに思えます。
大阪の水は琵琶湖から取水し、以前からまずい、まずいと言われ続けてきました。
でもね、最近はカルキ臭さもないな~と思いながら大阪の浄水場のホームページを見たら、
近年は高度浄水処理水を使っているとかhttp://www.pref.osaka.jp/suido/koudo/index.html
水道局は努力しているようです。
ミネラルウォーターに砒素が入っていること知りませんでした。
何でも妄信はいけませんね。
アレルギーも(私もアレルギー性鼻炎があります)水質や自然の環境の変化に
関係しているみたいです。
水を当たり前と考えずに、今後は注目いたします。
投稿: さくや姫 | 2007/02/26 22:42